バブルははじけたけど、「IT」って言葉はまだなかったころ、「マルチメディア」って言葉が流行っていたころ、「CD-ROM」は金を払って買う物だったころ、とある「CD-ROMマガジン」の制作に携わっておりました。はじめは内部スタッフ(契約社員)だったのですが、思ったよりも、というか全然売れねえぞ、「CD-ROM」は商売にならねえぞということが露呈しはじめ、体制の変更、人員の整理をされた時期に合わせて、フリーランスになり、それ以降「やりたいことしかやりませんよ」というスタンスで外部スタッフとして関わるようになりました。もともと3DCGスタッフとして採用になった割には、内部にいた頃は、オーサリング(CD-ROMのプログラミング...ってほどのもんじゃないけど、そういった感じのこと)をやる割合が日増しに高くなっていっていて、まあ、それも楽しくなくはないんだけれども、本来やりたいことは「3DCG」で「動画」(で「コメディ」)だぞってことで、そういう企画を立て、制作しました。それが「Q星人」です。これが、世の中的には、どうか知りませんが、というかほとんどの人は存在すら知らないとは思いますが、内輪的には、スタッフや、その周囲の人たち、数少ないその「CD-ROMマガジン」ファンなどなどの間では、思いの外ウケがよく、キャラクターグッズもささやかながら出来たりして、なんか結構な評判となりました。
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そうこうしているうちに、いよいよ、「CD-ROMマガジン」の存続が危ぶまれるようになり、「おまえ、ちょっと(CD-ROMマガジンが沈没したときに備え)違う企画をやれ。動画でDVDで、名作だ。」と上層部から極秘指令がありました。そこでネタとして選んだのが「不思議の国のアリス」だったのです。「不思議の国のアリス」は、児童文学で、名作で、知名度抜群、などなどといったわけで、一般には恐らくディズニーのアレのイメージでみなさん考えているんだろうなという事は計算ずくで、まずは企画が通りました。でも、原作にはディズニーが削ぎ落としたダークサイドもあり、それも含めて「不思議の国のアリス」なのだ、と、ニタニタ笑いをしながら脚本を書き、コンテを描き、制作を進めました。このころは、多少なりとも予算が付いていたので、今から思えば割と優雅な毎日でした。ドラクエ7とどちらが早く完成するか、とか、20世紀中にはなんとかとか、そんなころでした。
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が、頓挫。いろいろ原因はありますが、とにかく頓挫。プロジェクトが止まってからもしばらくは、こそこそとひとりでやってましたが、それも諸般の事情により、やがて、頓挫。
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で、その間、ソフトを乗り換えました。長らくバージョンが上がらず、取り残された感があったSoftimage|3DからMayaに乗り換えました。Softimage|3Dなんて高価(時価200万円くらい)なソフトを使えていたのは、実は、第一期「アリス」の予算のおかげなのですが、これが頓挫すると同時に、ソフトの保守契約も打ち切られ、自力でバージョンアップしようにもけっこうな金がかかるっていうのも理由のひとつだったりします。XSIという手も考えましたが、そのころのXSIは、まだ未完成もはなはだしいソフトだったので、それにいじってみたMayaの素晴らしさに圧倒され(XSIも素晴らしい触り心地でしたが、なにせ、不安定極まりない、その上Softimageの後継にもかかわらずあまり互換性もなかった、ので)ていたところ、Mayaがキャンペーンで半額(約100万円引き!!...それでも時価100万円くらい)というニュースに背中を押され、思い切って購入してしまいました。(が、そのキャンペーン終了後、定価がそれよりもうちょい安い値段になってちょっとショック。)3Dのソフトっていうのは、ソフトどうしでデータの互換性がほぼありません。違うソフトで読み込む方法もなくはないんですが、結局手間の総量として、最初から作り直すのと変わらない、か、最初から作り直した方がマシ、といった具合です。そういうわけで、過去の「アリス」の主要なデータは、ほぼ使えなくなりました。(それに、3DCGは進化が速いので、そして思いの外「オレ」の上達もめざましいので、ちょっと前のデータでも質的に使いたくない気分になりがちだったりもします。)
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で、あわただしかった身辺も、ようやくなんとか落ち着きを見せてきたかのように思えるかもしれない、かな、という2003年頃、ついに「アリス」再起動を開始します。この時点では、まだ、ひとりで暇を見つけつつ、しこしこ作る、というつもりでしたし、実際そうしていました。このへんのすすみ具合、遅れ具合などなど経緯はこちらを参照ください。
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そして、なんとかかんとかいよいよモーションも作り始めた2004年夏、それまでは部分的にでも作れればいいやと思っていたけれど、やっぱり全部作りたくなったりもして、とりあえず、勢いをつけるために、0 1/2計画を思いつき、発動。では、本題にすすみます。
「3DCGアニメを自主制作しています」といって、まず返ってきがちな合いの手として「ああ、最近はねぇ、デジタルだから、楽なんだよね、昔は一枚一枚手で描いてたけど、パソコンがね、ほら、全部やってくれんでしょ、だからね、すぐできちゃうんだよ、簡単に、ね」とかいう類のものがあります。まあそういわれてみればそういえなくもないんですけど、でも、少なくとも「すぐ」「簡単に」「全部やってくれる」ってあたりは、そうじゃないゾという実感があるわけでして、で、そのあたりを絡め、「3DCGアニメができるまで」っていう感じのことを書いてみたいと思います。
(続く)