制作日記ブログ

【如是我聞】護法少女ソワカちゃん

唐突ですが「護法少女ソワカちゃん」を推します。

恐らくうちの「不思議の国とアリス」好きな人は「ソワカちゃん」好きなんじゃないかなと思います(その逆は結構ヒット率下がる気がするのでガッカリですが...)ので、未見の方は是非どうぞ。というか、80年代臭というか、ニューウェーブ(含むニューアカ)臭が(ネタの面のみならず、作品を作る上での立ち位置とか身のこなしとかその辺にも、というかその辺にこそ)プンプンします。作者は間違いなく同世代です。スキゾキッズです。さらには(題名通り)基本が仏教ネタなので個人的にツボはまりまくりです。面白いです。

作者によるブログ逆転写無縁仏
作者インタビュー
まとめサイトソワカちゃん疏鈔
護法少女ソワカちゃん上映イベント特設サイト

基本的な説明をするのは面倒なので、その辺はまとめサイトソワカちゃん疏鈔でもご覧下さい。ニコニコ動画での不定期連載(?)という形式ですが、全部YouTubeにもあるのでニコ動アカウント無くても大丈夫です。コメント無い分見やすいかも。ところで個人的にはニコニコ動画のコメントは「ロッキーホラーショー上映時にスクリーンの前で寸劇やってる人たち」と同じくらい邪魔だと思います。(どちらもその存在意義は認めますけど。)それはさておき、個人的感想のディスクール・断章。

へなちょこの絵、へなちょこのアニメーションとして世間的には認識されているようですが、(そろそろ勘づいてる人も多い気もしますが)この作者間違いなく絵が上手いです。カット毎のレイアウト(構図)が的確だし、キャラのポージングの(顔も)かき分けがかなりしっかりしてます。アニメも相当上手いです。カット割りやモーションのリズム感というかなんというかが絶品です。で、曲と詩と映像が絶妙なバランスを維持しつつ素っ頓狂なストーリーテリングを展開します。素っ頓狂とはいえ、(キャラの細部のリアクションなど)描写のリアリティがしっかりしているので、生き生きとした理想的なフィクションに仕上がっていると思います。歌詞で繰り返される突然の脱線や失語症もまた会話体のハイパーリアルな描写であり、ジョイスがリアリズムの極みでたどり着いた場所の方を向かっているに違いないと思います。

一番最初のアップされた「オープニング曲」のイントロは「アナーキーインザUK」の引用になっているのですが、まさにかつてそれがロンドンに鳴り響いたのと同じ音色をWEBアニメ界にもたらしたのがこの作品と思います。こんなんだったらオレにもできると皆に思わせながら、その実、誰もこんなものは作れないというところも件のバンドと酷似しています。

作品は引用の織物(テクスト)として成り立っており、「ソワカちゃん」に限らず全ての作品はそのような成り立ちをしているとかどうだとかいうことを言い出すと長くなるのでさておきとして、恐らく作者はかなりの部分デタラメ(無意識、あるいはアーラヤ識、はたまたノリ)で作っているとは思うのですが、観客の多くはパラノと化して元ネタ探しに励んでくれています。うらやましいです。かなり。でも、そういった辺りはほどほどにして現状の己の知識量とあとはアーラヤ識で読み解くのがいいんじゃないかとも思います。あるいは逆にもっと自由にアナグラムとかアクロスティックとかカバラ数秘術とか使って暴走誤読まっしぐらってのもいいですね。

で、上映会やるそうです。大画面で観てどうだという作品ではないと思いますが、成功をお祈りします。少なくとも前出「ロッキーホラーショー上映時に云々」みたいな状態というかノリというかにならないといいですね。(なりそうな予感と要素はあるので、ちょっと心配だったりしますが...まあなったらなったで別にいいんですけど。)


最後に上記イベント特設サイトでの作者さまコメントからの引用

現在の日本社会は格差社会などと呼ばれ、たゆまぬ努力や熱意があっても必ずしも報われることがない、そんな夢のない社会であると指摘する人がいます。また、世界に目を向ければ、常に民族間宗教間の紛争はどこかで起こっており、真の世界平和を実現するためには、解決が不可能と思えるほどの問題が山積しているのが実情です。 私はそんな状況下で少しでもコンビニ弁当とかをおいしく感じてもらいたい、そう考えて「護法少女ソワカちゃん」シリーズを始めました。(太字 引用者)

奇遇ですが、私もかなり近い動機でアニメとか作っています。
というわけで、まったくもって一方的なラブコールで恐縮ですが好きです、かなり。

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コメント(2)

こんにちは。はじめまして。
逃走しそこねたスキゾキッズことソワカちゃんの作者kihirohitoです。
WEBアニメ界に詳しいマルコムマクラーレンから
「そうまさんがブログにトラックバックつけてるぞ、ジョニー」
という連絡を受けましたので、それを辿ってきました。
比較的長い文章で評価いただき、ありがとうございます。
ジョイスまで引き合いに出されるとは、畏れ多くて洟水が出そうです。

WEBアニメの世界というのはこれまで全く未知の領域でして、
「動画だし、絵動いてたほうがよくね?」ぐらいの気持ちでスタートした
ちょっとしたいやがらせみたいな歌となんか動く絵ですが、
デスメタルバンドとしてデビューしたのに船村徹に評価されてるような
そんな不思議な感じは今も否めませんけども、センスも技術もある方に
評価してもらうのはありがたいことで、大変励みにもなります。

遠い将来にでも、「ロッキーホラーショー上映時にスクリーンの前で
寸劇やってる人たち」の中から、PISTOLSの初期ライブに居合わせた
モリッシーやイアン・カーティス(死ぬけどね)みたいな人が出てきたらいいなあ、
とか勝手に夢想しますが、自分ではいかんともしがたいことなので、
今後どうなるか分かりませんけども、とりあえずありがとうございました。

Posted by: kihirohito at 2008年5月24日 17:55

kihirohito様 はじめまして
わざわざこんな場末においでいただき恐縮です。

ジョイスはろくに読んだこと無いので恐らく間違いです。浅田彰もろくに読んだこと無いのでスキゾキッズとトンガリキッズの違いがよく分かりません。今やっている受注仕事があんまりつまらないので逃避がてら書いていたら結構長いのになっちゃいました。割と失礼なことも書いたような気もしますのでひとまずはお詫びいたします。「寸劇問題」や「注付け問題」に関してもやってもらえるだけで有り難いし素晴らしいことだと思うし、現象としても大変面白いのでいいことだと思います。というか単にうらやましいです。

それはさておき、そのトラックバックからの来訪者が、この1日だけで、このサイトへの5月累計のアクセス数第三位に躍り出ました。Google、Yahoo、逆転写無縁仏の順です。ソワカちゃんすげえですね。売名行為成功です。ていうか、普段がいかに閑散としているかが良く分かってせつねいです。

それもさておき、上記感想は各文末に心の中の「w」キーを連打しながら書いており、(主にエクリチュール的に)かなりシャレなんですけど、「ソワカちゃん」はホントに凄いと思います。打ち切り間際のミニチュアを作る予算が全くないウルトラマンレオで、電柱一本だけでその巨大さを充分に表現し切った時のような感動があります。このまま伏線回収無用の身も蓋もないデタラメな終わらせ方、あるいは「精子三部作」的な壮大な大団円を期待します。

それから、拙作DVD贈呈してまたコメントとか頂いて売名行為に拍車をかけようと思っているのですが、もし差し支えなければ送付先とか個人情報とか直メールででも教えていただけませんか?

では、この騒動が一段落して、PiLでもやる機会がありましたらお声をおかけ下さればホイホイと付いていきますのでよろしくお願いいたします。

Posted by: そうまあきら Author Profile Page at 2008年5月25日 01:25

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